……あれっ、あそこにいるのは斎宮くん…?



移動する最中、メガネ越しの視線を感じた。



な、なんだろう。

私のことジッと見てるけど。



すると……



『ガ、ン、バ、レ』



と、口パクで確かにそう言ったのだった。



思ってなかったサプライズに胸が高まる。



……ありがとう、斎宮くん。

私、頑張るから……!



私はそれに応えるよう大きく頷き笑顔をみせた。



よーしっ、斎宮くんに恥ずかしい姿は見せられないぞ。



私も頑張らなくちゃ……って、んんんん?



音楽が流れるのを待機していると、前方の観客席から、熱烈に手を振る姿を見つける。



「……あれは、まさか…」


「楓音ちゃーん!やっほー!元気~?」


「……えっ!?お母さん!?と、シンジさんまで…!」



な、ななな、なんで二人がこんなところにいるの……!?