隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

い、意外と寒いんだね。

カーディガン持ってこればよかった。

流石にカッターシャツ一枚じゃ冷えるなぁ。



腕をさすりながら、雨の中へと踏み入れる。



ひんやりとした空気が肌をなぞる。

ピシャピシャと地面に落ちた雨が足へと跳ね返る。



う~靴下濡れてきたし、気持ち悪い……。

早歩きで帰ろっと~……。



黙々と歩き続けること二十分。



ようやく家の近くの十字路までやってきた。



……ん?

あそこに誰かいる?



霧が邪魔でよく見えないなぁ。



目を凝らしてジッと観察をする。



すると、透明のビニール傘から見えたのは、よく知る姿だった。



……えと、斎宮くん……?



……こんなところで何してるんだろう?



すると斎宮くんは、突然その場にしゃがみ込む。



うーん?あそこに何かあるのかな?



遠く離れたところから見ているだけのつもりだったが、気づけば私の足は勝手に斎宮くんの元へと向かっていた。



「斎宮くん?こんなところで、何してるの?」


「……っ!びっくりした、なんだ朝桐か……」



珍しくメガネを外しており、素顔を晒していた。



そんな完璧フェイスを尻目に、私の目に飛び込んできたのは……



「……えっ!そこにいるのってもしかして、猫……!?」



斎宮くんの腕の中にいる小さな子猫だった。