隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

詳しいことは教えてくれなかったけど、それから真山さんたちは私に一切関わろうとしなくなったんだよね。

むしろ、私をみてちょっと怯えていたような……?



唯奈ちゃん……一体真山さんたちにどんな話をしたんだい。

あの時、「ちょっと話しつけてくる」って怖い笑顔を浮かべてたこと私覚えてるよ?

……なんとなく予想は出来ちゃうので、これ以上追及はしないけどね。



とにかく唯奈ちゃんのおかげで、あの事件は完全に幕を閉じた。



私も無事に学校生活を送れることが出来て、とても感謝している。



唯奈ちゃんと、斎宮くんに助けてもらわなかったら、今頃どうなってたんだろう。

二人には感謝してもしきれない気持ちでいっぱいだよ。



「気にしないで。私は楓音が無事ならそれでいいから」


「唯奈ちゃん……!!」


「あ、抱き着くのはやめてね。髪の毛のセットが崩れちゃうから」


「ひどい!せっかく愛の抱擁をしようと構えてたのに!」



私のくだらないノリに付き合ってくれる唯奈ちゃんって、ほんと優しいよね。

こうやって呆れたように優しく笑う唯奈ちゃんの顔、好きだなぁ。



「あっ、はい辞書だよ」


「ん、ありがと。ところで、楓音が前に話してた隣の席の何とか君って彼?」



と、唯奈ちゃんは斎宮くんへ視線を向ける。



「斎宮くんだよ!あのね、さっきも一緒にお昼ご飯食べてたんだよ」


「ふーん、そうなんだ」



嘘じゃないけど、限りなく嘘に近い事実。

隣の席で無言で食べ続けていた、という事実です。



……にしても、やっぱり何にも言わないなぁ。

私たちの会話も聞こえてるはずなのに。



……ここまで何も話してくれないと、ちょっと寂しくなる。



唯奈ちゃんは、そんな私の心情など知らず、スタスタと斎宮くんの目の前へと移動すると、



「いつも楓音が迷惑かけてごめんね?」


「……」


「おーい?聞いてる?」



綺麗な顔面を近づけ、斎宮くんの顔を覗きこむ。