……正直、朝桐は他の女とは違っていた。



俺の素顔を見ても、このメガネしてる時と、態度が一緒だった。



交換条件を提示するって言ってきた時は、やっぱりなって思ってたけど、まさか友達になれだなんて……。



しかも自分から言いだしたくせに、勝手に落ち込むし。

さすがに朝桐を哀れに感じて、俺のほうが折れることになるし。



ほんと不思議なやつだ。

……ま、馬鹿そうだし、裏表ないのかもな。



この顔を見られたのは計算外だったけど、まぁ暫くは様子見だな。



……いつ態度が変わるか分かんないし。



それに、結局他の女と変わらないのかもしれない。



いくら悪い奴じゃないとしても、俺は女と関わるつもりなんて全くないからな。



とにかく俺は、今までみたいに静かに過ごせればいいんだ。

俺が望むのはただそれだけだ。



…だから、頼むから、俺の読書の時間と昼寝の時間は邪魔するな。

……マジで。



「よし、できた」



鏡の前に映るのは、髪の毛モジャモジャのメガネをした俺。

……相変わらず自分のセット技術には関心するな。



さてと、もう少ししたら教室に戻るとするか。

……優等生を演じるのも大変だな。