……なんで朝桐が、俺の代わりに怒ったんだか。

理解不能すぎる。



自分だって怖いくせに、必死に俺のこと守ろうとして。



それで、俺にどうしてほしかった?

感謝してほしかったの?



……結局そのせいで、クラスの女に虐められてるみたいだし。



本人はいつも笑って、気にしない素振り見せてたけど。

……あれは多分、強がりだな。



俺には関係のないことだし、興味も一切なかった。

……なのに、どうも気分が悪い。



だから、朝桐が連れていかれた時、勝手に身体が動いてた。



なんで身体が動いたのかは分からない。

……なんとなく嫌な予感がして、イライラしてた。



気づけば朝桐を庇うように、水にぶっかかってたし……。



……俺らしくないよな。



……はぁ、意味分かんないや。

俺まで偽善者じゃん……。



メガネを拭き終わり、気だるげにベッドから立つ。



そして鏡の前でメガネをし、髪型をセットし始める。