隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

慣れない感覚に戸惑いながら、必死に言葉を紡ぐ。



「い、斎宮くん…っ、その、話ってなに……?……それと、もう出ていかないから、腕を退けてほしい、です」


「……ん」



斎宮くんが離れ、ホッと胸を撫で下ろす。



よかった……やっと、解放された。



……まだ心臓がドキドキしてる。

急にあんな近くに来られたら、誰だってドキドキしちゃうよ…もう……。



しかも、男の子に耐性のない私なんて特に……。



なんだか今ので少し疲れたが、とりあえず私も保健室内へと戻り、先ほどと同じ場所に座る。



そして、改まったように口を開く。



「……分かってると思うけど、俺がメガネを外した姿のことは秘密ね」


「秘密……分かった」



コクリと首を縦に振って頷く。



女の子のことを嫌だって言ってたもんね。

そもそも私が見ちゃったのも偶然のわけで、斎宮くんも見られたくなかったはずだし。



「あっ、でも親友の唯奈ちゃんには」


「誰にも、言わないでね」


「はっ、はい……」



ひぃぃぃっ…!

いまの台詞、圧がすごかった……。



……斎宮くんの素顔のことは、墓場へと持って行こう。アーメン。



「……俺と、朝桐だけのヒミツだから」


「へっ……」



朝桐って……。

初めて、名前を呼んでもらえた。

……苗字だけど。



「……なに間抜けな顔してんの?」


「ま、間抜けな顔なんてしてないよ!うんっ、秘密は絶対守るから!」


「ならいいけど」



……二人だけのヒミツ、か。

なんだか、カップルみたい。

……カップルがどういうものか知らないけど。



私の中で、秘密を背負ったプレッシャーもあったけど、それ以上に、こうなった現状に喜びも感じていた。



色々衝撃的なことばっかだったけど。

こうして斎宮くんと秘密を共有し合う仲になった。



嬉しいな、まるで本当の友達みたいだ。



これでようやく私にも友達が……!

……友達……?



……。



……あぁああぁあぁっ!

そうだ!いいこと思いついちゃった!