隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

頬を膨らまし、圧をかけるような視線を送る。



が、そんな私を見向きもしない斎宮くんは至って冷静だ。



私一人がヤキモキしてるみたいじゃんっ。

もうちょっと感情を顔に出そうよ?ねっ?



「……朝桐、楓音だっけ。知ってるよ、毎日うるさいくらい話しかけてきてたし」


「なーんだっ!ちゃんと覚えてくれてるんじゃん、よかったぁ!毎日必死に話しかけたのも無駄じゃなかったんだね」



それだけで嬉しくなってしまう私は、相当単純なんだと思う。



「だったらお前じゃなくて、ちゃんとこれからは名前で呼んでね!」


「はぁ……」



なんだか流されてる気がするけど、まぁいっか!



その時ふと、視界の端に時計が目に入った。



「……あぁっ!?もうこんな時間……!?とっくに昼休み終わってるじゃん!」



時計は恐ろしいことに、午後の授業一発目の時間を差していた。



ままま、まずい……!

先生に怒られる……!



……ていうか、この時間じゃ、もう午後の授業を半分も過ぎてる……!



「斎宮くん!まずいよ!急いで授業に戻らなくっちゃ!私たち、授業をサボってることになってるよ!」


「今更気づいたの?俺は別に構わないけどね」


「ええ~!?ダメだよ!授業はちゃんと出なくっちゃ……」



ただでさえ私はみんなより、半年分も授業遅れてるのに……!



これ以上置いてけぼりを食らったら、私……授業についていけなくなって留年しちゃうよ……!



ひぃぃっ!考えただけでも恐ろしい!