隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

きっとなにか理由があるんだよね。

カッコいい素顔を隠して生活する理由が。



「ねえ、どうして今まで素顔を隠してたの?こっちの方が、女の子に超モテモテでハッピーエンジョイライフを送れるじゃんっ」



綺麗な顔面をわざわざ隠すなんて勿体ないよ、と付け加える。



私が斎宮くんだったら、絶対隠さないのに。

むしろこの顔面を武器に、唯奈ちゃんへアタックするね!



「……だからだよ」


「だから……?」



聞き返す私を一瞥すると、一間空けて話しだす。



「……俺は、見た目につられて俺に近寄ってくる女が嫌いなんだよね。キャーキャーわめいて煩いし、そういうの面倒なんだよ。だから、誰も寄せ付けないために隠してた」


「そ、そうだったんだ」



吐き捨てるように話す斎宮くんを見ていて、本当にうんざりしている様子がよく伝わってきた。



そんな理由を抱えてたんだね。

私には、全く想像できなかった。



……イケメンも大変なんだね。



もしかして、過去になにか嫌な思い出とかがあったのかな?



「本当に偶然とはいえ、隠していたことを見ちゃってごめんね…」



……やっぱり私は見てはいけないものを見てしまっていたんだ。

……深く、深く。海の底より深く、反省しなくちゃ。



「今更もういいよ。……俺の自己責任だから」



本当にごめんね、と最後にもう一度謝ったところで、ふと気づく。



「……でも、女の子が嫌いなら、どうしてさっき私のことを助けてくれたの?」


「……さあ。知らない」


「知らないって……気になるじゃん!」



気になって気になって、夜も眠れないよ!?

結構重要なことじゃん!



「お前が気になるとか、どうでもいいし」



つめたっ……!

顔は甘いのに、言葉は辛辣だ……!



「ていうか、私の名前ちゃんと覚えてる?」



女の子をお前呼ばわりするのは失礼なんだからねっ!

前にシンジさんが家に来たときそう言ってたもん。