隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

そして……



「これでも浴びて、大人しくすることね!!」



真山さんはバケツを、私に向かって投げたのだった。



濡れる……っ!



私に逃げる道は残されておらず、ギュッと目を瞑り、身構える姿勢をした。



―――バシャッッ!!



……



……



……あれ?濡れて、ない……?



暫く経っても、水は私にかからなかった。



おかしいな……いま、確かに水の音が……。



不思議に思い、そっと目を開け驚愕する。




「……えっ!?い、斎宮くん……!?」




その言葉の通り、私の目の前には斎宮くんの姿があった。



ポタポタと髪の毛から滴る水。

ぐっしょりと濡れ、色を変える制服。



私の代わりに水を被ったことを瞬時に理解した。



なっ、なんで斎宮くんがここに……!?

しかも、どうして……私なんかをかばって……。