隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

「私に偉そうに命令してくるし、変な正義感出して、男子からの人気得ようとしてさ。ほんっと、キモイんだけど」



かなり酷いことを言われたが、すかさず反論を口にする。



「私はっ……無理矢理押し付けるのはよくないと思って注意しただけだもん。偉そうにとか、正義感ぶってとか、そんなつもり全くないよ!」


「うるさい!アンタの話なんて聞いてねーんだよ!」



真山さんの味方をする女の子たちは、「そーよ!そーよ!」と口を揃えてまくし立てる。



ダメだ……私がなに言っても聞く耳を持ってくれない。

こんな時、どうしたら……。



「あ~ほんとムカツク」


「ねぇ由紀ぃ~さっさとアレやっちゃおうよ?」


「……そうね。その方が早いわ」



……アレ……?



怯えた顔をする私とは裏腹に、女の子たちはクスクスと笑いだす。



「これから先、私たちに立てつかないよう、ちゃーんと躾をしておかないと駄目だよねぇ~」


「し、躾……?な、なにするつもり?」



額に冷や汗が流れ、後ずさりをする。

が、いつの間にか後ろは壁で、逃げることも出来なくなっている。



「さぁ?なんだろうね?」



怖い笑みを浮かべた真山さんの手には、いつの間にか、水がたっぷり入ったバケツが握られていた。



えっ……!

まさか…そのバケツ……私に、かけるつもりじゃないよね……?



最悪の事態を想定し、肩をビクビクと震わす。



「まっ、真山さん、落ち着いて……!」


「は?私はいたって冷静だけど」



そんなバケツ持って血走った目で冷静なわけないよね!?

や、やばいよ……どうしよ。