隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

「アンタ、名前なんだっけ」


「朝桐、楓音…だけど」



眉間にしわを寄せ、不機嫌そうに見下ろす女の子。



確かこの子の名前は……真山由紀(Mayama Yuki)さん。

女の子たちのリーダー的存在で、かなり気の強そうな子。

ちなみに今朝、私にぶつかってきた子である。



……うん、嫌な予感しかない。



「アンタに用事があるから、今から私についてきて」



あれ、なんのために名前聞いたの!?

結局私のこと、アンタ呼ばわりしてる……。



「……早くしてよね!」



モタモタする私に真山さんを苛立ちをみせる。



「わ、分かったよ……」



まだお弁当食べ途中だったのに!

残りは戻ってきてから食べるとしよう……。



急いでお弁当箱を片付けると、先行く真山さんを追いかける。



一体どこに向かってるんだろう……?



そもそも私に用事ってなにかな。

組み合わせ的に、嫌な予感しかしないな……。



「この中入って」


「えっ、ここ……」



足を止め躊躇する私の背中を押し、無理矢理連れ込んだのは女子トイレだ。