隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

いつものモジャモジャの髪にビン底のぶ厚いメガネ。



見間違えるわけがない、あれは正真正銘の斎宮くんだ。



えっ、なっ、なんで斎宮が……!?

なにしようとしてるの……!?



この場で驚いているのは勿論私だけじゃない。

周りの生徒や先生たちも口々に騒ぎ出していた。



「え、アイツってウチのクラスの斎宮だよね?」

「アイツ、なにしてんの?」

「え~頭おかしいんじゃない」



いやっ、ほんとその通りだよ……!



どうしちゃったの…!?

どこかに頭でもぶつけちゃった…?



全校生徒の注目が集まる中、校長先生からマイクを奪う斎宮くん。



そして、堂々とステージ真ん中に立つと口を開いた。



『朝桐楓音』



んんん……!?

なっ、なんで私の名前なんか呼んでるの……!?



遠くからは「朝桐楓音って誰?」の声が聞こえ、クラスメイトからは「…え?」といった眼差しを向けられる。



体育館内は、より混沌とした空気が流れる。



そんな私の状況はお構いなしに、斎宮くんは続けて話し始める。



『朝桐には、たくさん話したいことがある。それに聞いて欲しいことがある』



私に、聞いて欲しいこと……?



『……俺、こういうバカなことやるキャラじゃないし、正直ここに立ってるだけで人生一の最悪を越してるんだけど』