隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

途端、二人の間に沈黙が流れる。

重く、気まずい空気感が。



どうしよう…なにか話さなくちゃ、と思った時、斎宮くんが話し始めた。



「……こんな気持ち初めてだった。朝桐のそばにいたいって思ってた。友達じゃなくて、一人の男として」



……え……?



「……けど、朝桐にとって俺はただの友達だったんだよね。そうだよね、最初からずっとそう言ってたわけだし」



……違う。

……そうじゃない。



「もういいや、めんどくさい。……正直、いまの関係もよく分かんなかったし。もうやめよ」


「え……?」



やめるって、なにを……?



私に向けられた悲しい目が、斎宮くんの心情を物語っていた。



「朝桐とは、もう友達やめる。あの交換条件は破棄するよ」



胸に切り裂かれるような、強い痛みを感じた。



……なんで。

……なんで、そんなこと言うの…。どうして…。



「い、いいの…?そうしたら私っ…斎宮くんのことみんなに…」



言うはずない、言うはずなんてないけど、この関係を繋ぎとめておきたくて、必死に嘘を並べる。



自分でもなにを言ってるのか、訳が分からなくなっていた。



しかし、追いかける私を、斎宮くんはあっさりと突き放す。



「あー……じゃあ、ダンスの練習してた時のこと覚えてる?なんでも言うこと聞くって」


「あっ…」



嫌な予感がした。



「今それ、ここで使うね。だから、俺たちの関係はここで終了」



その言葉に、胸の中からすっぽり何かが消えたような気がした。