隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

どうしてそんなこと私に、わざわざ言うの……?



その言葉に、深い意味はあるの?

それともただの冗談、なの……?



斎宮くんのせいだよ…。

こんなにも心臓がドキドキしてるのは。



「ほら、そういう顔」


「へ?」



突然左手でアゴを掴まれる。

そして、グイッと持ち上げられる。



……あれっ、メガネ…いつの間に外して……。



「そういう顔、俺以外に見せたくないんだよ」



―――ドキッ。



斎宮くんの顔が、赤く染まってみせるのは、窓から差し込む夕日のせい……?

それとも……。



斎宮くんの大きな瞳の中に私が映り込む。

まるで、私しか映ってないみたいで、変な錯覚を覚えてしまう。



ずるいよ、斎宮くん……。

なんで、そういうこと…今になって言うの。



……意味分かんないよっ。



必死になにかを訴えかけるように見つめ返す。



「そ、そういう顔とか言われても…どんな顔してるか分かんないし……っ」



触れられた箇所から熱を帯びていくように、どんどん顔中が熱くなる。