―――放課後。
HRが終わると共に、斎宮くんがすぐさま教室を出て行った。
その後ろ姿を見れなくて、ずっと下を向く。
……どうしよう。
この後、保健室で斎宮くんが待ってる。
私に、なにか用があるんだよね、きっと。
……保健室でなにを話すんだろう。
「楓音」
「あ、ごめん太陽くん。ボーっとしちゃってた。か、帰る?」
「いや、実は先生に昼休みの続きでまた呼び出されたから、ちょっとだけ待っててもらっていい?」
そういう太陽くんの手には書類が握られていた。
「うんっ、分かったよ」
「ありがと!じゃ、玄関で待ってて」
駆け足で教室を出て行く太陽くんを見送り、私も帰る準備をする。
……太陽くんが書類を出しにいってる間なら。
ほんの少しだけなら、保健室に顔出せるかな。
行ってはダメだと分かっていても、自分の気持ちを抑えることなど出来ない。
気づけば私は教室を飛び出していた。

