隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

ゆっくり振り返ると、斎宮くんは正面を向いていて。

私のほうなど見てはいなかった。



「最近ずっと、お昼いないよね」



だから私も正面を向いたまま、斎宮くんの方は見ず話をする。



「お、屋上に行ってたんだよね!外で食べると、空気も新鮮でよりおいしくて……」


「ふーん。転校生と食べてたんだ」


「…う、うん。そうだね」



やっぱ知ってたんだ。

あれだけみんな騒いでるし、気づくよね。



それから二人の間に沈黙が流れる。



怖くて斎宮くんの顔が見れない。



いま、斎宮くんは何を考えて、何を思ってるのだろう。

私と、太陽くんのこと……もう気づいてるのかな。



……って、ダメダメ!

私、斎宮くんのこと意識しすぎだよ…。



意識しちゃダメだって自分に言い聞かせた分だけ、余計に意識しちゃって、さっきからずっと悪循環だ。



頭の中がパンクしそうな時、斎宮くんが口を開く。



「…今日の放課後」


「え?」


「……今日の放課後、保健室にきて」



……えっ、保健室……?



驚いてつい、斎宮くんの方へ振り返ってしまった。



……っ。



メガネ越しに視線と視線がぶつかった。



斎宮くんもジッと私を見つめ、真剣な表情を浮かべていたのだ。