斎宮くんの次の言葉を待つだけで、緊張でおかしくなりそうで。

心臓が痛いくらいに、その存在を主張してきて。



真剣に話す、綺麗な横顔だけをジッと眺めていた。



しかし……



「……ダメだ、もう限界……っ」


「……えっ!?ちょ、斎宮くん大丈夫……!?」



その言葉を最後に、斎宮くんはバタンッとベッドに再び倒れたのだった。



「なっ、なになに!?どうしたの……!?」


「…あ、あづい……頭、使いすぎた……」



えええっ!?

まっ、まさか熱がまた上がってきちゃったの……?



息を荒げる斎宮くんの額には汗が滲んでいた。



「…朝桐…アイス…アイス、買ってきて」


「学校にアイスなんて売ってるわけないじゃん……やれやれ」



冗談が言えるくらいには元気ありそうだね。



顔を赤く火照らす姿をみて、何故かフッと笑いが込み上げる。



もう少しで何かいいことが聞けそうな気がしてたんだけどな。

……ま、仕方ないか。



話しの続きは、また今度。

斎宮くんが元気になった時に、ちゃんと聞かせてね。



私はいつまでも待ってるからね…?



「こら斎宮くんっ、風邪引いてるんだから布団蹴らないの…!」



結局斎宮くんは、その日に先生によって自宅へと強制送還をされたのであった。