そして、なんとか人目を避け、保健室までやってきた。



「し、失礼しまーす……?」



あいにく今日も保健の先生は不在のようだ。



……朝一で保健室にくる生徒なんて滅多にいないもんね。



「斎宮くん、大丈夫…?とりあえず、ベッドに横になって」



斎宮くんを支えてあげながら、ゆっくりとベッドへ下ろす。



そして辛そうに、バタンッと横になる斎宮くん。



……さっきより呼吸が荒くなってる。

顔もどんどん赤くなってるし、すごく辛そうだ。



とりあえず、急いで保健の先生を呼んでこなくちゃ。



「斎宮くん!ちょっと待っててね。今から職員室に行って先生を呼んでくるから……!」



もしかしたら未知のウイルスに侵されてるかもしれない……!

事態は一刻を争うのだ……!



すると、走りだそうとした腕を突然掴まれる。



「きゃっ…!えっと、斎宮くん……?」



振り返ると、布団の中から腕を伸ばしていたのだ。