隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

「ま、冗談か本当かは別にどっちでもいいんだけど」



……どっちでもいいんかい!



「楓音は、そのせいで転校生のことが気になってるんだ?」


「ええ?き、気になってはないと思うけど……友達としてすごくいい人だなぁって思ってたくらいだし。それよりも、私は……」



その時、脳裏に斎宮くんのことが過る。



……っ。

それよりもって、私……なに言おうとして……っ。



「転校生より、もう一人のイケメンが気になるんだ」


「……ええ!?な、なんでそれを……あ」



口元を押さえたが、すでに遅かった。



唯奈ちゃんは呆れたように口元に弧を描いていた。



「やっぱり。まぁ、あの時の楓音見てたらなんとなくそう思ったし」


「あの時……?」


「イケメンにお姫様抱っこされて、顔真っ赤にさせながらギュッてしがみついて。あの時の楓音は可愛かったな~動画取っておけばよかった」



う、う、う、うそでしょ……っ!

そんな恥ずかしい姿をしていたなんて……っ。



朝桐楓音、一生の不覚……!



「唯奈ちゃん、どうかその記憶は抹消して頂けないですか……」


「うん、無理だね」



作り物のような完璧な笑顔を浮かべる唯奈ちゃんに、「あっ、無理だこれ…」と心の中で察しました。