隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】

「そういえば、私…平賀くんに謝りたいことがあったの」


「謝りたいこと……?」



ご飯を口に含んだまま、平賀くんは首を傾げる。



「その、体育祭の借り物競争の時……せっかく私のためにあの場に来てくれたのに、ほったらかしにするようなことしちゃって、ごめんなさいっ」



平賀くんが来てくれなかったら、きっと諦めてたと思うし。

それに、あんな勇気ある行動、普通できないよ。



「あー!いいよいいよ!俺、全然気にしてないからさっ」


「ほ、ほんとに?」


「もちろん!むしろ、わざわざ謝ってくれる朝桐さんが律儀すぎ!」



とケラケラ笑って、気にする私を元気づけようとしているようにも見えた。



「そ、そうかな?……ありがとね」



やっぱり、平賀くんはとってもいい人だ。

心の荷がやっと降りたよ。



……よし、これで心置きなく蕎麦が食べられる!



「……でもさ、正直ちょっと嫉妬したんだよね」


「……?」



蕎麦をズルズル啜りながらキョトンとしていると、そんな私へにんまりとした笑みを向ける。



「目の前であんな宣戦布告されて、すっげー悔しかったし」



そういえば、斎宮くんがなにか言ってたような…。



「俺ね、朝桐さんにあの時、一目惚れしたんだっ」


「……!?……ゲホゲホッ!ひ、一目惚れ……?」



急に平賀くんが変なこと言うから咽ちゃったじゃんっ…。


ひ、一目惚れって……。

なにかの冗談だよね……?



「うん、一目惚れしちゃったんだ」



半信半疑の私に教え込むよう、もう一度言葉にする。



「あの時はもう転校することが決まってて、体育祭をやるって聞いたからどんな学校なのか観に行ってたんだ。そうしたら、偶然朝桐さんとぶつかって。その時、一目惚れしたんだっ」


「えええ!?あの時……」



ぶつかった時……。

多分、私、相当必死な顔をしていたような……。



「それで朝桐さんのことが気になってたら、借り物競争で困ってるのを見つけて。仲良くなりたいな~って思って出たのに、まさか目の前で奪われるなんてね」



そ、そうだったんだ……。

でもっ、そんないきなり一目惚れしたなんて言われても……っ。



こういう時、どういう顔したらいいのか……。