そう言って机の上に置いてあったスマホを指した。

「…やられた」
「でもな、翼。これだけは、はっきり言っておく。千尋は俺の物だ」
「だったら!早く結婚しろよ!いつまでもこんな可愛いちぃ姉を1人にさせとくな」

「お前に言われなくても分かってる」
「はいはいはい!!そーこーまーで!!結局、私たちって2人のことが大切だから2人に嫌われたいって思ったけど、その2人がそれを許さなかったってことだよね?」

「ややこしいけど、そうなるな…」
「大輔、翼。嫌いになれなくて、ごめんね」
「俺も。千尋、翼。お前たちのこと嫌いにはなれない、すまないな」
「うん…ちぃ姉、先生も。嫌ってくれた方が楽だったけど俺も嫌いになれない。やっぱり2人のことが俺は好きだよ」

誰かの事を思うほど好かれたいと思う。
好かれたい相手にこそ嫌われたいと思う。

好きと嫌いは正反対な言葉なのに近い関係。
そんな感情に私たちは支配されている。