嫌いになれなくて、ごめん

本当に参考書を取りに行ったかどうかは定かではない。
戻りが遅い彼を心配してグラウンドを見れば校庭の隅っこでクラスメイトの姿を見つめている事がよくある。

彼だって仲間と一緒に思いっきり走ったり転げ回ったりしたいはずなのに、彼の体はそれを許してはくれなかった。