嫌いになれなくて、ごめん

外来の受付時刻を過ぎても翼の受診表がデスクに並ぶことはなかった。

「ではお大事に」
最後の患者さんを見送った。
定期検診に翼がこなかったのは初めてだった。

夜、翼の携帯にかけてみても通話になることはなく、呼び出し音だけが耳に響いた。

次の日の朝、もう一度電話をかけた。
2〜3度のコールの後、留守電に切り替わった。

「翼、俺を嫌うのは勝手だが検診には来い。俺に会いたくないなら、水曜か金曜に来い。外来には先輩の医師がいるから伝えておく」
そうメッセージを残した。