嫌いになれなくて、ごめん

その晩、久しぶりに大輔とのデートを楽しんだ。少し帰るのが遅くなったけど、もう立派な大人だし親にとやかく言われる筋合いはない。
1人だけお酒を飲みほろ酔いの私を心配し家まで送ってくれた大輔は車から降りるとドアを開け手を差し出した。

「千尋、大丈夫か?」
「これぐらい平気よ」
車から降り立ち上がると目が合った。

「明日の仕事、遅刻するなよ」
「大丈夫よ、子供じゃないんだから」
「じゃあ、おやすみ」
「うん、ありがとう。おやすみなさい」

別れ際、私から抱きしめキスをした。
「千尋…」
そう言うと今度は角度を変え大輔からキスをして来た。
誰もいない深夜の住宅地……のハズだった。

『…ちぃ姉…と瀬川先生…⁈嘘だろ』
まさか翼が見ていたなんて……