「なんで100メートル走なんだろうね」
「何が?」
「50メートルなら走りきる自信あるのに」
「小学校低学年の体育ね」
「あっ、ちぃ姉!今俺の体力をバカにしたな」

保健室に2人っきりの時、彼は私のことをそう呼ぶ。
昔から変わっていなくて少し安心したのを覚えている。
顔もそこそこ男前になって身長も伸びて私よりも頭一つ分高くなった。
それでも変わらない笑顔でちぃ姉って懐いている。