西村 翼 高2。
家が近所で小さい頃はよく遊んでいた。
でも成長するにつれ自然と遊ばなくなった。
7つも離れている男女なのだから当たり前。
弟のヒロとは幼なじみで連れ立って今でもよく遊んでいるようだ。
予鈴が鳴って他の生徒が保健室を出て行く頃に翼はやってくる。

「山岡先生ー。」
「いらっしゃい」

部屋の端に置いてある机にドサドサと荷物を置き勝手に勉強を始めた。
一年もこの関係が続けば今さら2人の間に余計な会話はない。

それでも気になり時折、横目で見れば翼は真剣に勉強している時もあれば羨ましそうな目でグラウンドを眺めている時もある。後は時々居眠り…