嫌いになれなくて、ごめん

千尋と翼がそんなに近い関係だとは思わなかった。
千尋が帰ってしばらくすると翼は目を覚ました。


「翼?分かるか?」
「……先生?」
「よく頑張ったな、翼」

「…病院?」
「学校から救急車で」
「…そっか…」

「保健の先生、山岡先生か。ずっと付いててくれたんだけどな、さっき帰られたよ」
「…ふっ、情けない所見られちゃったかな」
「んー?好きなのかあの先生が」

「うん。昔から知ってるし、親友の姉ちゃんなのにな」
「そうか。ああいう人がタイプなんだ」