嫌いになれなくて、ごめん

「はい」
「ありがと」
手渡されたコーヒーを素直に受け取った。

「千尋の学校の生徒だったんだな」
「え?」
「前に聞かれた事あっただろ?翼のこと」
「うん」
「なんで知ってるんだろうって思って、前に翼が持ってきた書類みたら東高って書いてあったから」

「そうだったんだ」
「詳しいことは言えないんだけど、翼が病気なのは知ってるんだろ?」
「うん、一応養護教諭だからね。でもどんなのかって言うのは知らない」