嫌いになれなくて、ごめん

「あれ?ヒロはまだ帰ってないの?」
「翼くん連れて病院行くから遅くなるって電話があったわよ」
「そうなの?なんかあったのかな?」

「体育館で倒れたとかなんとか言ってたけど…翼くんのお母さん今日は遅いらしくて」
「大丈夫かな?どこの病院?」
「朝日ヶ丘総合病院がかかりつけのはずよ」
「朝日ヶ丘!?」
「ええ。どうしたの?」
「ううん、なんでもない」

朝日ヶ丘総合病院と言えば大輔の勤めている病院だ。
彼はそこの内科に勤務している。
まさか大輔と翼が知り合いだったなんてこの時はまだ知らなかった。