「はぁ?姉ちゃんマジで言ってんの?」
「マジじゃなきゃ言わない。こんな笑えない冗談」

「うわぁー。俺のバラ色!青春の高校生活が…今この瞬間、終わった」
「大げさな。あんたの青春ってそんなモノなの?」

久しぶりに帰ってきた実家でゆっくりコーヒーを飲んでいた私の耳元でギャーギャー騒ぐのは弟の博之。

奴が騒いでいる理由は簡単だ。
4月からの赴任先の高校が彼が入学する高校だから。

弟の高校って言うのは少し気まずいけど、一人暮らしもしなくていいし、家事は母親がしてくれるし、遠距離だった彼氏ともこれからは頻繁に会えるし私にとってこの異動は良いことづくしだ。