「大丈夫だよ。」

と優しく言った。

お兄さんの柔らかな笑顔と、優しい声に一瞬

ドキッと胸が高鳴った。

「とりあえず、仕事内容とかお給料について

聞いてみる？」

お兄さんの言葉に頷くと、バイト初心者でも

わかりやすいように丁寧に説明してくれた。

なぜこんな細い路地にあるカフェに惹かれて

いたのか全然わからなかったけど、今ならわ

かる気がする。ここでお兄さんと出逢って、

ここで働くためだったのかなって。

「これからよろしくお願いします！」

こうして人生初めてのアルバイトが始まる。

「オレ、青田龍也。わからないことがあった

らなんでも聞いてね。」

お兄さん、青田さんって言うんだ。かっこよ

くて優しくて、素敵な出逢いかも…！

次の週にはお仕事を始めた。

「ももちゃん！今日、玲くんとももちゃんの

カフェ行ってもいい？」

「いいよ！」

聖菜と玲悟くんには、あの日青田さんが誘っ

てくれたことを話してある。

そして放課後、カフェに3人で向かう。

「お疲れ様です！今日もよろしくお願いしま

す！」

レジに立つ青田さんにいつも通り挨拶をし

て、聖菜と玲悟くんを紹介した。

制服に着替えてお店に戻ると、席に座って楽

しそうな聖菜と玲悟くんの姿が見えた。

「ねぇももちゃん、あの二人って両想いじゃ

ないの？」