少し茶色がかった柔らかそうな髪を揺らして

私の隣に立った。

うわ、背たっか…。180cmくらいありそう。

「お店、入りませんか?」

優しい笑顔で問いかけられて、思わず首を

縦に振ってしまった。

席に案内されて、ホットココアを出され

た。

「あの…。」

私、まだ何も頼んでない…。

「サービスだよ。ココア好きじゃない?」

「いえ…!ありがとうございます。」

なんでサービス?私、そんなにお金なさそう

に見えたかな?

ホットココアで体を温めて、バイトの求人を

広げた。

「どんなバイトがいいんだろう。」

やりたいと思ったことって言われても、バイ

トなんか初めてだから何が楽しいかなんてわ

かんないよ。

「もしかしてアルバイト探してるの?」

ココアを出してくれたお兄さんが突然話しか

けてきた。

「そうなんです。」

なんでこの人は私に話しかけてくるんだろ

う。一人暮らしってそんなに淋しそうな顔し

ているのかな。

「ここでバイトしてみない?」

「え?」

ここってバイト募集してるの?

しかもこの人若そうなのに、勝手にそんなこ

と決めれるの?

「うち、人足りてないからどうかなって。」

「店員さん、若そうなのにそんな重要なこと

決めれるんですか?」

私は素直に疑問に思っていたことを聞いた。

お兄さんはクスッと笑うと。