「そっか。」

龍也さんはコーヒーをお客さんの席に運ん

だ。

龍也さんの寂しそうな切ない笑顔。

そんな顔させたくないのに。

「ももちゃん。オレ以外見ないでよ。」

席から戻ってきた龍也さんが、お客さんから

見えないところで私を抱きしめる。

告白されたときはあんなにドキドキしていた

のに。今は違う。

切なくて。苦しくて。

これはどういう感情なの?

私は龍也さんをどう思っているの?

自分の心が見えないまま、土曜日を迎えた。