オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~

「うるせぇ。さっさと食え。」

そう返した黒宮さんの顔が、少し赤く染まっ

たように見えた。

クールな黒宮さんのちょっとかわいいところ

を見れて、勝ち誇ったような気持ちになっ

た。

朝ご飯を食べ終えて、黒宮さんとゲームをし

ていた時、インターホンが鳴った。

「オレが出る。ももは休んでて。」

黒宮さんは、玄関に歩いて行った。

「なんでいるんだ?」

ドアが開いた瞬間、聞き覚えのある声が響い

た。

「青田さん!?」

左足を引きずりながら玄関向かうと、青田さ

んが鋭い目で黒宮さんを見ていた。

あんな怖い顔した青田さん、初めて見た…。

喧嘩でもしてるのかな。

「ももちゃん。足、大丈夫かなって思っ

て来てみたんだけど…。」

あ、いつもの優しい青田さんの笑顔に戻っ

た。

「大丈夫です!黒宮さんも心配して来てくれ

ましたし。」

いつもの青田さんだけど、少し違う気がす

る。青田さんの目は笑っているけど、どこか

寂しいような、切ないような。

哀しみさえ感じるようなそんな目をしてい

る。

「青田さん?何かありましたか?」

不安になった私は、青田さんに近づく。

「おい。安静にしてろって言っただろ。」

黒宮さんの言葉に足が止まる。

二人とも優しいけど、二人とも優しすぎる。