オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~

大きな窓の外には美しい夜景が広がる。

「気に入った?」

「うんっ!ありがとう!」

私は一度窓から離れて、蓮人へのクリスマス

プレゼントが入った紙袋を手に持った。

お母さんから教えてもらいながら編んだマフ

ラー。彼へのプレゼントがマフラーってなん

だかすごくベタのような気もするけど…。

喜んでくれるといいな…。

「蓮人。これ、私からのクリスマスプレゼン

ト…です…。」

緊張して語尾が敬語になっちゃった…。

「ありがとう。開けていい?」

「う、うん…!」

蓮人が紙袋からバーガンディーのマフラーを

取り出すと、自分の首元に巻き付けた。

「これ、ももの手作り?」

「うん!初めて作ってみたんだけど、どうか

な…?」

お母さんみたいに上手にできたらよかったん

だけど…。

「上手いじゃん。」

蓮人が喜んでくれてよかった。プレゼントを

渡せたことと、喜んでもらえたことにホッと

していると、蓮人が自分の鞄から何かを取り

出して、私に差し出した。

「これ、オレからのプレゼント。」

え…。合鍵も貰ったし、ランチのお店も、ホ

テルも予約してくれてたのに、まだあるの?

蓮人の手から小さな袋を受け取って、中身を

手に取る。

「かわいい…!」

中に入っていたのは、白を基調としたシンプ

ルデザインのキーケース。私は、ツリーの下

で貰った蓮人の部屋の合鍵をキーケースにし

まって見せた。