オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~

私たちは会話もなく、寒空の下、ただ手を繋

いでいた。

12月24日、クリスマスイブ。

蓮人が予約してくれていた大人の雰囲気漂う

イタリアンでランチをしてから、街でショッ

ピングをした。

どこに行ってもクリスマスソングが流れて、

イルミネーションが街を照らしている。

「もも、こっち来て。」

蓮人に手を引かれて向かった先は、人混みか

ら外れたクリスマスツリーの下。

「こんなところにツリーがあるなんて、知ら

なかった…。」

「もうすぐだよ。」

「えっ?」

もうすぐって何?と聞こうとしたけれど、そ

の意味がすぐにわかった。視界いっぱいに色

とりどりの光が広がったから。

「きれい…。」

キラキラと輝くイルミネーションがツリーを

飾って、私たちを照らす。

「もも。」

蓮人に後ろから抱きしめられると、胸元に冷

たいものを感じて、視線を落とすと。

「これ…。」

ネックレスにされた鍵が掛けられていた。

「これでいつでも会いに来れるだろ?」

私を抱きしめる腕に触れて、しばらくツリー

を見上げた。

「今日は帰すつもりないから。」

蓮人が私の背中から離れると、強引な手つき

で顔を上げられて、冷たくなった唇を奪われ

る。噛みつくようなキスを目を閉じて受け止

める。

「もも。メリークリスマス。」

それから、蓮人が予約してくれていたホテル

へと向かうと、豪華な部屋が待っていた。