次の日の昼間、私たちは家族に見送られて、

東京行きの新幹線に乗った。

「ねぇ蓮人。」

「何?」

家族に認められたら伝えようと思ってた。

「お父さんたちに言ったこと、全部ほんとだ

よ。私はまだ16歳だけど、蓮人の隣で生き

て、蓮人と笑っていたいって思ってるんだ。

だから、これからもよろしくね。」

繋がれた手にぎゅっと力を込めた。蓮人への

感謝の気持ちも、蓮人への愛も、蓮人と生き

る未来への願いも、全てが伝わるように。

「それ、プロポーズじゃん。」

「ち、違うよ!」

いつかそんな日が来たらいいなとは思ってる

けど…ってそういうことじゃなくて…!

「時が来たらオレから言うから、信じて待っ

てろ。」

蓮人はずるいな。蓮人の言葉で、仕草で、笑

顔で、温もりで…。私の心を簡単に乱してし

まう。蓮人がいない人生なんて思い出せない

くらい、蓮人でいっぱいなんだ。この人以上

に愛せる人には、もうきっと出逢えない。

ねぇお母さん。夢を一つ見つけたよ。

私の愛する家族、友達、そして恋人を守れ

る、支えられる、そんな大人になりたい。

私は愛する彼の隣で静かに眠りに落ちていっ

た。