元カレと再恋愛ってありですか？

「いっただろ？クッションになるって。」
抱きしめられたまま紗那の耳元で奏介が言う。
奏介のぬくもりに、奏介の声に、紗那は心からほっとする気がした。

「行こう」
「え？」
奏介は突然体を離して紗那の顔を見た。
「疲れた顔してんな」
そう言って笑ってから奏介は紗那の手をギュッと握り歩き出した。

この年になって誰かと手を繋いで歩くことを予想していなかった紗那はかなり恥ずかしくて顔を伏せる。
それでもしっかりと奏介がリードして歩いてくれる。

奏介は自分の家に紗那を連れて行った。
「やっぱり1か月開けると汚いな。」
そう言って奏介が家の中に入る。

「紗那、掃除機かけて」