「金田重工の社長とのつながりはこれからのわが社の重要なパイプになる。」
「はい」
「失敗は許されないからな」
「はい。頑張ります」
紗那は誠に頭を下げた。

「で、木ノ内。」
「はい?」
「今夜食事に行くぞ」
「・・・」
誠のことが苦手な理由はもう一つある。

「すみません。今夜は一軒打ち合わせが入っていまして。」
「断れ」
誠はそう言って紗那のチームのフロアをさっさと出て行ってしまった。

誠は紗那をかなり気に入っている。
ことあるごとに紗那を食事に誘ったり、スポーツ観戦に誘う。
そのたびに自分の身を守ることに必死の紗那。