元カレと再恋愛ってありですか？

「でも奏介の仕事も大変でしょ？料理って正解がないし。人によって好みだって違うし。」
「まぁな。だからこそ今、GREENの新しいメインシェフになる後輩を育てるのに苦労してるよ。」
「そうなんだ」
「そいつのうまいと俺のうまいは違うし、GREENの味も伝統もある。それを繋ぐって難しいよな」
「難しそう」
奏介が自分のうまくいっていないことを話すのは珍しい。
よほど頭を悩ませているのだと紗那は悟った。
「伝わるといいね」
「ん？」
「うまく言葉にできないけど。奏介の思いがちゃんと伝わるといいね」
「・・・あぁ。」
心から応援したいと紗那は思った。

「紗那」
「ん？」
「ありがとうな」
突然真剣な顔で奏介が言う。