元カレと再恋愛ってありですか?

「ようこそ。GREENへ」
その声に棚の置物に夢中になっていた紗那が振り返ると、そこには奏介が立っていた。
「コック帽はないの?」
紗那の言葉に奏介は
「あれは邪魔になるからうちの店はかぶらないんだよ」
と笑って答えた。

「どうぞ」
奏介に案内されて紗那は店内に入る。
照明も味わい深い。
『ガタンッ』
上を見ながら歩いていると紗那は机に思い切りぶつかった。
「ごめんなさい」
その机を片付けていたスタッフに謝る。すると紗那の視界に奏介が笑っているのが見えた。
「笑わないで。」
「いや、やっぱりお前は変わってないな。」
店の照明のせいか、奏介がかっこよく見えるから困る。
そんなことを考えながら紗那は奏介について再び歩き出した。