元カレと再恋愛ってありですか?

「紗那」
落ち着いた声で奏介が名前を呼ぶ。
一瞬たち止まった紗那は再び歩き出そうとする。

「紗那。行くな」
「・・・」
「紗那」
奏介の想いのこもった声に紗那は完全に足を止めた。

「ずっと会いたかった。心配してた。」
「・・・」
「紗那。もう、どこにも行くな。」
「・・・」
祈るような気持ちで紗那の返事を待つ奏介。

しばらくして紗那は明るい声で、背中を向けたまま言った。
「私、もう新しい好きな人がいるの。その人が私を待ってる。」
「嘘だな。」
紗那の言葉にすぐに返事を返す奏介。