☆六花side☆


 街全体がクリスマスモード。


 クラスメイト達も、
 クリスマスデートはどこに行こうか、
 どんなかわいい服を着ようかなど、
 ピンク色のオーラを漂わせている。


 クリスマスか……


 私には、関係がなさそうだな……


 お兄ちゃんがいなくなってから2か月。


 時間が経てば、
 お兄ちゃんがいない生活に慣れ、
 淋しさも薄らいでいくと思ったのに。


 現実は全然違った。


 お兄ちゃんが一人いなくなっただけなのに、
 私の心はなぜか苦しくて、
 夜、家事をし終えて自分の部屋に入ると、
 ぽろぽろと涙がこぼれてくる。


 お兄ちゃんのことは、
 未だに男として見られないくせに、
 結局、紫音くんのことも七星くんのことも
 断ってしまった。


 なんでだろう……


 お兄ちゃんがいいって思ってしまう。


 私の隣にいてくれるのは、
 お兄ちゃんがいいって。