触れていた手をゆっくり下ろして
浮かべていた笑顔を消すと


「……仲直りもなにも
ひなたちゃんはなにもしてないよ」


「俺が悪い。あんなことしちゃったから」


「俺がひなたちゃんを怖がらせた
嫌な思いをさせた」


後悔の滲む声で、目で
いつきさんは
また私に「ごめんね」を繰り返した


……そんな風に
苦しそうな顔をさせたいわけじゃないのに


私はただ


一緒にいたいだけなのに




「……いつきさん」


申し訳なさそうに目線を落とす、その顔に
いつきさんのほっぺたに唇を当てる


「…これで、おあいこです」


私にキスしたことを
ずっと気に病んでいるなら、これでおあいこ


「……これで
また一緒にごはん食べてくれますか?」


突然、私にキスされたいつきさんは
呆気に取られてて

だけど、至って真剣な私を見て

呆けたような顔が段々元に戻る



「……そんなに、俺とごはん食べたいの?」

「はい」

「俺の事、嫌じゃない?」

「はい」