初めて経験する甘い感覚、快感に

理性が怯える




「…っ………や、だ……こわい……」




ただただ甘くて、気持ちよくて


そんな刺激が怖くて



「……」



涙を浮かべる私を見て
いつきさんの動きがぴたりと止まる



触れそうだった唇が離れて



「………………ごめん」



ぽつりと呟いて

ゆっくりと私を抱き起こす



「…………いつきさん?」


「…………………悪酔、した…」



自分の額を押さえて
激しく後悔するような表情を浮かべる


雰囲気がいつものいつきさんに戻った事にほっとして



それから



「…………怖い思いさせて、ごめん」



ぽろぽろ涙を流す私に躊躇うように手を伸ばして

そっと涙を拭ういつきさん



「……い、いつもの、いつきさんじゃ、ないのが……怖くて……」



「……うん。ごめんね」



「……っつ」




ごめんねを繰り返すいつきさん


責めてるわけじゃなくて

怒ってるわけでもなくて

そんな顔をさせたいわけでもないのに




うまく言葉を返せなくて



私はただ泣くばかりだった