「ひなた。具合は?」

「……オーナー、迷惑かけて……ごめんなさい」


いつきさんの後ろから現れたオーナーにも
深々と頭を下げる


「ひなた。謝るのはよしなさい
君が悪いわけじゃないんだ」

「……」

「皆、怒ってるわけじゃない
心配してるだけだ」


肩を縮こませる私に
オーナーは困ったように笑って

「とりあえず座りなさい」とソファーを指差した

促されるまま
そっと腰をおろせば

一呼吸置いて、オーナーが口を開いた



「ひなた。……さすがにそろそろ
目を瞑ることは難しい」


「……それって、クビってことですか?」



重い口調で言われた言葉に私はどきっとした


お店で倒れて、色んな人を巻き込んで
散々迷惑をかけちゃったから

仕方ないといえば仕方ないけど

ここをクビになったら、生活できなくなる


……それは、困る


慌てる私にオーナーは首を横に振る



「そうじゃない
君の父親の君に対する暴力だ」


「いつきや医者から聞いた
今回の怪我は酷すぎる
同じことが今後続けば、ひなたの命に関わる」



厳しい顔で話すオーナー

その言葉を私はぼんやり聞いていた