｢……｣


何度も咳き込む私の背中を優しく撫でて

私が落ち着いて
そのまま眠りにつくまで

いつきさんはずっと傍にいてくれた



――……



……それから3日後



コンコン



｢どうぞ｣

｢……失礼します｣

｢ひなたちゃん｣

｢……いつきさん｣


オーナーの仕事部屋に呼ばれた私

おどおどしながら扉を開ければ
笑顔を浮かべたいつきさんが出迎えてくれた


｢あの、……ご迷惑おかけしました｣


深々と頭を下げる



あの後、私は熱を出してそのまま寝込んだ

3日間、お店の仮眠室を借りて
休ませてもらった

その間

姉さん達やいつきさんが何度も何度も
様子を見に来てくれて

甲斐甲斐しく私の看病をしてくれた

どうしても病院に行くのを嫌がる私に

姉さん達はプライベートのお友達の
お医者さんを、わざわざ呼んでくれて

診察してもらえば
やっぱり少し内臓も傷ついていたみたいで

しばらくは絶体安静にって釘を刺された


姉さん達にもかなり色々言われてしまって

それでも家に帰ろうとする私を
オーナーが引き留めた

しばらくはお店で寝泊まりしなさいって