「……ええ、なので休ませます」

「…」

「はい。もし手が足りない場合は俺が行きます
その時は連絡して下さい」

「…」

「はい。よろしくお願いします」


電話を終えて
いつきさんが私の所へ戻ってくる


「仕事の事は気にしないで
代わりの人、見つかったから」

「…ごめんなさい」



連れられてやってきたのは仮眠室

お店の部屋のひとつをあてがってるから
テレビもあるし、お風呂もトイレも冷暖房も完備

その部屋のベッドの上で横になってる私

小さな声でいつきさんに謝った



「謝らなくていいよ
少ししたら痛み止めも効くと思うから」


大きなベッドの縁に腰掛けたいつきさんは
柔らかく笑って首を横に振る



「……」



………迷惑かけちゃった

いつきさん、お仕事中だったのに


上着と鞄を持ってたし
どこかに向かう途中だったんだと思う

なのに私の具合を気にして
ここまで連れてきてくれて
薬の手配や仕事の引き継ぎやらも全部してくれて



「…………ごめんなさい」