……冷や汗が止まらない


……痛い


痛すぎて、意識が飛びそう


………いや、いっそのこと気を失った方が楽かな……





「ひなたちゃん?」



そんな事を考えながら
お腹を抱えてうなだれていた私


頭上から声がかかる


のろのろと顔を上げれば、そこにいたのは



「……いつ、きさ……?」



いつきさんだった



「どうしたの。……すごい汗」



しゃがみこんだいつきさんは
そっと私の顔色を窺う


私はなんとか笑顔を浮かべて



「……ちょっと、おなか痛くて」

「おなか?」

「少し休めば、大丈夫なので……」



……っ、だめだ……

話すのも、きつい……



それきり黙りこんで、またうずくまる私



「…」



………大丈夫、大丈夫



どれだけ痛くても時間が経てば多少は良くなる



…………もうちょっと我慢すれば…



「……へ」



ふわりと体が宙に浮く感覚に

瞑っていた目を開く


目の前には整った顔



「……い、いつきさん?」

「痛いかもだけど少しだけ我慢してね」


びっくりして目を丸くする私を見下ろして

いつきさんは私を軽々と抱き上げたまま歩き出す



「……」



ゆっくり歩いてくれるけど

それでも振動で、体が痛む



その痛みに顔をしかめながら

私はいつきさんの腕の中で丸くなっていた