「…あー……やっぱ太ったな。お前」

「シン兄、言い方」

「いい感じに太ったな」

「…はぁ」


まこちゃんに注意されて言い直すけど
同じようなもの

多分、健康的になったって言いたいんだろうけど

まこちゃんは額に手を置いて
呆れるようにため息をつく


「??」


突然の謎の行動に戸惑う私

しばらくしてシン君は私から離れて


「で?どうだ?」

「どうだって…なにが?」

「俺に抱き締められてどうだった?」

「…シン君、相変わらず小さいなぁって」

「あ?」


素直に返せば、シン君は
ぴきっと額に青筋を浮かべて
不機嫌そうに表情を歪める

どうやら欲しかった返答じゃなかったみたい

言葉足らずなシン君を
フォローするようにまこちゃんが言う


「ひな、相手がシン兄じゃなくて
いつきならどう思う?」

「え?」

「ひなを抱き締めたのがいつきだったら
ひなはどう感じる?」

「……いつきさんだったら…」



「……安心する」



安心して、なんとなく嬉しくて離れがたくなる